こんにちは、江東区門前仲町のヘナと出張訪問美容の美容室ハイジです。
当店は、植物由来の天然の染料による白髪染め【ヘナ】を取り扱ってます。
↓ヘナメニューについては、こちらをご覧ください。
↓過去に書いた【ヘナ】ついての記事です。
今回は、【ヘナ】の効果についてまとめました。
【ヘナ】とは??
植物であるのに髪が染まるのは、ヘナの葉に「ローソニア・アルバ」という赤色の色素があるからです。
このローソニア・アルバという成分は、髪の毛を構成するケラチンタンパク質に結合することで発色します。
黒髪では発色が分かりづらいのですが、白髪にはオレンジ色に発色するので、白髪染めとして使われています。
またヘナの葉の成分には、頭皮を状態を改善してくれる効果と髪の痛んでいるところを修復するトリートメント効果もあります。
白髪染めとしての【ヘナ】
髪の悩みの一つとして、白髪が気になるというのがあるのではないでしょうか。
その白髪を染める代表的なものに、アルカリカラーとも呼ばれているヘアカラーがあります。
↓の表は、白髪染め同士のヘアカラーとヘナについて比較したものです。
ヘアカラー |
ヘナ |
---|---|
白髪 | |
染まる |
染まる |
染まり具合 | |
一回で染まる |
回数を重ねると染まってくる |
黒髪 | |
明るく(脱色)できる |
明るく(脱色)できない |
成分内容 | |
主成分は化学染料(ジアミンなど)とアルカリと過酸化水素 |
主成分は植物由来の天然染料(+化学染料が配合されているものもある) |
頭皮に対して | |
頭皮に刺激あり(人によっては、ヒリヒリと感じる) |
頭皮に対して、低刺激 |
活性酸素 | |
成分のアルカリと過酸化酸素が反応することで活性酸素が発生し、カラー後に後処理で取り除かないと髪と頭皮に悪影響を与える(白髪が増える原因にも) |
染まる過程で、活性酸素は発生しない。さらに、ヘナには活性酸素を除去する性質がある |
色味 | |
化学染料の組み合わせで、色味が豊富 |
選べる色味が少ない(オレンジと青とブラウン) |
補修効果 | |
髪に対して補修効果はない(別途、トリートメントが必要な場合も) |
ヘナが髪を補修・補強してくれる |
時間 | |
染まるまで、20~30分ほど時間が必要 |
加温とクーリングの時間で、50~60分ほど時間を置く |
安全性 | |
化学染料の成分のジアミンにより、重大なアレルギーを起こす場合ある |
まれに植物アレルギーが起きる場合がある |
ヘアカラーは、ジアミンという化学染料と過酸化酸素とアルカリ剤の化学的作用で白髪をしっかりと染めることができます。暗い色から明るい色、色味も寒色系から暖色系と多彩で、色持ちもよく、1回でしっかりと染めることができます。
ただ、人によっては、この化学染料のジアミンにより重大なアレルギーを起こす場合があります。頭皮が弱い方だと、ヒリヒリと染みたりする場合もあります。
また、キューティクルを薬剤の力で開かせ、髪の内部で脱色と染色という工程をやるので、染めた後にしっかりとアフターケアをしないと、ダメージが大きくなってしまいます。
一方で、ヘナの主な成分が植物由来の天然の色素になります。ですので、染める力は、ヘアカラーに劣り、1回では濃く染めることが難しいです。また、ヘアカラーのように脱色できないので、ある程度暗くは対応できますが、地毛より明るくはできませんし、色味の幅も狭いです。
発色の仕方もヘアカラーと違い、植物由来の色素が髪のタンパク質と結合することで発色していきます。繰り返すごとに色素がタンパク質に定着するようになり、白髪に綺麗に色が入っていきます。
他にも、ヘナにはヘアカラーにはない効果もあります。ヘナの葉の成分には、色素の他にも髪のタンパク質と結合するものがあるので、染めるごとに髪自体を補強していき、だんだんと髪にハリ・コシ・ツヤが出てきます。
頭皮ケアとしての【ヘナ】
ヘナは、湿布薬や傷薬などとして皮膚に対して使われていた歴史があるので、ペースト状のヘナを頭皮に塗布すると以下のような効果があります。
- 活性酸素の除去
- 鎮静効果
- 冷却効果
- 抗菌効果
- 抗炎症効果
- 頭皮の正常化
まず、穏やかな冷却効果により頭が冷やされるので、高ぶった精神を落ち着かせてくれます。
抗菌・抗炎症効果が、フケ・かゆみ・頭皮の臭いなどを抑えていき、ゆっくりと頭皮の状態を改善してくれます。
人は酸素を吸って活動しているのですが、呼吸によって取り込まれた酸素の一部は活性酸素という高濃度の酸素に変化します。この活性酸素は免疫として身体を守るために働く側面もありますが、体内に溜まりすぎると身体を酸化(サビ)させ、悪影響を及ぼしていきます。ヘナには、この活性酸素を除去する(抗酸化)する効果があり、体内の活性酸素の量のバランスをとるのを助けてくれます。
また、ペースト状のヘナを頭皮に塗ることで、ヘナの粒子が毛穴のつまりや日頃のシャンプーでは落とせない汚れや老廃物を吸着してくれます。それを施術後にしっかり流すことで、余分な皮脂を取り除きつつ、頭皮の洗浄をしてくれます。
つまり、染めるためにヘナを頭皮全体に塗ることは、エステ目的で泥パックするのと同じように、頭皮の状態を正常へと導いてくれます。
トリートメントとしての【ヘナ】
ヘナの成分は、大きく2つに分けられます。1つは、ローソンニア・アルバ、もう1つはタンニンです。これらは、いずれもタンパク質と結合する性質を持っており、この2つが作用しあって、髪にハリ・コシ・ツヤを与えて、白髪が染まります。
タンニン | 多くの植物に含まれている、渋み・苦味の成分。タンパク質と強い結合力があり、髪や肌を引き締める収斂作用があります。 |
ローソニア・アルバ(ローソン) | ヘナの葉に含まれる色素で、髪・爪・皮膚を構成するケラチンというタンパク質と絡みつくことで、発色します。 |
タンニンは、ポリフェノールの一種で、さまざまなダメージにより髪の内部が空洞化して不安定なところを、まるで道路工事のように穴埋めをしてくれて、髪を芯から補強してくれます。
また、髪の内部のタンパク質にくっつき架橋結合を作ってくます。架橋結合とは簡単にいうと、隣り合うタンパク質とタンパク質がお互いが手を繋ぐことで、タンニンはタンパク質同士の間に入って手を繋ぐの助けてくれます。架橋結合をつくることにより、髪にハリとコシを与えてくれます。
そして、収斂作用により髪を引き締めていき、本来の疎水性の性質にだんだんと戻していってくれます。
ローソニア・アルバは赤い色素のことで、髪の主成分であるケラチンというタンパク質と結合することでオレンジ色に染まります。また、キューティクルに薄い被膜を形成するので、毛髪にツヤを出してくれます。
健康な髪は、水を弾きます。タンニンとローソニア・アルバは、水を弾く健康な髪へ導いていってくれます。
【ヘナ】の色味
ヘナはローソニア・アルバという赤い色素が、髪の主成分であるケラチンというタンパク質と結合することで、オレンジ色に染まります。黒髪ではほとんど分かりづらいですが、白髪にはオレンジ色に発色しているのがよくわかります。
これにヘナを塗布して、時間を置くとこのようになります。
白髪がまだらに生えている方はスジ状にメッシュが入ったような感じになるので、白髪が気になりだした方や白髪の割合が髪の全体の20%くらいまでの方は、ヘナのみの方が地毛と馴染んで自然な感じとなります。
ただ、白髪が多い方は、このヘナのみのオレンジ色は抵抗があるかもしれません。
ヘナのみではオレンジ色にしかなりませんが、補色という理論を使うことでヘナの色を変えることができます。
色相環を見ると、オレンジ色と向かい合う反対の色に藍色があります。この藍色を混ぜることによってヘナでもブラウン色にすることができます。
藍色は、ヘナと同じく植物のナンバアイ(インディゴ)を使用します。
ヘナとインディゴは、お互いに発色するスピードが違うため、緑かかった色になります。
今度は、この白髪交じりの人毛を、ヘナとインディゴをMIXしたもので染めてみます。
黒髪を脱色する力はないので、黒髪のところはそのままですが、白髪の部分がブラウンに染まって馴染んでいます。
しかし、染まりが弱いと感じる方もいると思います。
ヘナもインディゴも植物由来の天然染料なので、一度ではヘアカラーのように濃くは染まりません。繰り返し染めることで、髪に色が定着していきます。
日にちを空けて、同じ工程をもう一度やるとこのようになります。2回目になるとさらに白髪の部分に色が入るので、より馴染んだ自然な色となると言えます。
また、より濃く染まるのがご希望な方には、別のヘナをご用意しています。
ヘナ+インディゴの天然染料に、HC染料+塩基性染料という化学染料が配合されているヘナで、それぞれの相乗効果で発色が安定します。つまり、天然のヘナとインディゴの力を損なわずに髪に作用し、このHC染料と塩基性染料によって色の入りを良くするという方法です。
ヘナとインディゴのミックスのみの1度染めよりも深く染まりますので、濃く染めたい方に向いています。また、暗い色でヘアカラーをされていた方がヘナにカラーチェンジする場合でも、より馴染みやすく移行するのに活用できると思います。
ヘナとインディゴ以外に配合されているHC染料と塩基性染料とはこのようなものです。
HC染料 | 小さい分子で構成されており、キューティクルの隙間から浸透し、キューてぃくるを壊さずに繊毛できるため、髪に優しい。また、中性のため頭皮への刺激が低く、安全性が高い。 |
塩基性染料 | 分子が大きく、髪の表面に付着してイオン結合という電気的な化学結合することで染毛する。+の電気を帯びているため、髪が-の電気を帯びているほどよく染まる。HC染料と組み合わさることで、色持ちを良くする効果があります。 |
ヘアカラーで起こるカブレの原因となるジアミンという染料は入ってませんので、ヘアカラーが駄目な方でも使用でき、化粧品登録もされているので安全性は高いものです。(ただヘナやインディゴ、HC染料と塩基性染料の配合したヘナでも、まったくアレルギー反応が起きないわけではありません。植物アレルギーの方は、アレルギー反応が出る場合がございます。)
美容室ハイジでは、天然ヘナのみ100%のナチュラルヘナと、ヘナとインディゴのみをミックスしたブラウンヘナ、ヘナとインディゴにHC染料と塩基性染料が配合されたブラウンヘナをご用意しておりますので、ご相談くださいませ。
紫外線対策としての【ヘナ】
先ほど、トリートメントとしての【ヘナ】のところで、キューティクルの表面に薄い被膜を形成すると書いたのですが、キューティクルを包み込んで保護するこの働きは、有害な紫外線から髪を守ることにもなります。
太陽から降り注ぐ紫外線の量は、一年通して同じではありません。5月から9月にかけてが、一年で最も紫外線の量が多い時期になります。
紫外線は、3種類に分類されます。
- UVA(紫外線A)・・・シミやしわの原因。肌の奥深くまで到達し、じわじわと影響を与える。皮膚が黒くなる日焼けは、これが原因。
- UVB(紫外線B)・・・皮膚に対する刺激が強く、皮膚が赤くなったり、軽いやけどのような日焼けの原因となる紫外線。
- UVC(紫外線C)・・・一番有害な紫外線。通常は、オゾン層で吸収されるので地上まで届くことはない。
紫外線は化学線ともいわれるので、カルシウムの代謝に必要なビタミンDを作ったりと良い面もありますが、日焼けやシミ・そばかすの原因になったりと悪影響も及ぼすので、このUVAとUVBの対策が日常生活では必要になります。特に、UVAは窓ガラスや雲も透過して肌の奥まで届くので、しっかりと対策が必要です。
紫外線を髪もたくさん浴びることで、乾燥してパサつきや強度の低下、キューティクルの損傷など髪を痛める原因にもなります。また、紫外線の刺激が皮膚に活性酸素を発生させ、その活性酸素が白髪の原因になったりもします。頭頂部の白髪の原因は、紫外線ともいわれています。
髪の大敵ともいえる紫外線ですが、ヘナの葉に含まれる赤い色素のローソニア・アルバには、染まる以外にも紫外線を吸収する働きがあります。
ヘナを毛先まですることで、「ローソニア・アルバ」がキューティクルのケラチン(タンパク質)と結合し、薄い被膜を形成して、紫外線から守ってくれます。
【ヘナ】は染まる効果のある頭皮と髪のパックエステ
ここまでの【ヘナ】の効果をまとめると、頭皮の環境を整え、髪を補修しつつ、白髪も染まるものというのが一番しっくりくる表現になると思います。
頭皮への負担が少ない、髪にハリ・コシ・ツヤがでるなどメリットをあげてきましたが、デメリットもあります。
- 独特の草の匂いがある
- 初めてヘナをしたときは、髪がとてもきしむ
- 白髪は染まるけれども、黒髪を脱色して明るくすることはできない。
- 色味が選べない
- 植物由来の染料なので、短時間で染まらない(ヘアカラーより時間がかかる)。また、1回では染まりづらい(回数が必要)。
- カラーチェンジしにくい(ヘアカラーにまた戻すとき、ヘナのオレンジ色やインディゴの藍色が残っていて、目的の色味にできない可能性がある)
- ジアミンアレルギーの人でも使用できるが、植物アレルギーの人はできない。
デメリットもありますが、ゆっくりと時間をかけて、頭皮の環境を整え、髪質を改善して染めていく、月に1回の頭皮と髪のパックエステ、そのような付き合い方もいいのではないでしょうか。
ヘナもヘアカラーもできることがお互いに違いますので、ヘアカラーを否定するつもりはありません。ヘアカラーも、とてもよくできている製品だと思います。
ライフスタイルに合わせて選んでいただければと思いますので、その参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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